赤血球の構造と働きの解説

赤血球が少ない病気とは?血液細胞の約99%を占める赤血球の働き、割合、寿命を入門者向きに解説。

◆赤血球の構造と働きの解説(もくじ)

◆赤血球の増加と減少について

 ねぇドクター。赤血球の数はとってもたくさんの数があるのはわかったんだけどね。1秒間に200万個も赤血球が作られ続けていたら体中赤血球だらけになってしまうような気がするよ。
そんなにたくさんの赤血球を作ってしまっても大丈夫なの?

 うん、確かにそうだね。
赤血球はほぼ休みなく赤色骨髄から大量の赤血球が絶えず生産されている。
赤血球がとても多い人に発症する疾患の代表として実際に「多血症」と呼ばれる病気もある。
 でもね、赤色骨髄からつくりだされた赤血球の細胞が全て生き残るわけではないんだよ。
血液循環の途中で亡くなってしまったり、逆に赤血球の製造が上手にできなくなる時もあって血液中の赤血球数が減少してしまうようなケースもあるほどなんだ。
そしてね、赤血球には我々と同じように寿命(じゅみょう)もあるんだよ。

 寿命?

※赤血球には寿命がある

◆赤血球の平均寿命は120日前後

赤血球は休むことなく赤色骨髄から作られているのは前項でお話しした通り。

そしてこの赤血球は毎日のように寿命をむかえて減少していく成分でもあるんだよ。

尚、赤血球の平均的な寿命は120日前後であると言われている。

※赤血球の寿命は120日程度

その為、120日前に生み出された大量の赤血球は、誕生してから120日前後の間までに寿命を迎えて亡くなっていくんだよ。

 と言うことは120日前近辺に生み出された大量の赤血球は、一気に寿命を迎えてなくなっていくんだね。

 そうだね、実際に赤血球は寿命だけでなく、心臓から血液とともに送り出されて体内を循環している間にも亡くなってしまう赤血球もたくさんいる。
また怪我をして傷口が出来てしまった時は、赤血球と同じ血液中の成分である血小板が活動して出血を止めるけれど、血小板の活動だけで傷口が塞ぎ切れないような時は、血漿中の「フィブリノーゲン」と呼ばれる成分が分解されて「フィブリン」となり、赤血球を捕まえて傷口を塞いだりしている。
このように赤血球は、絶えず誕生し様々な場所で使用されたりしながら寿命を迎え死滅していくサイクルを繰り返しているんだよ。