血管の種類・大きさ・動脈・静脈・毛細血管の役割の解説

血管の種類・大きさ・動脈・静脈・毛細血管の役割の解説

◆血管の種類・大きさの解説(もくじ)

◆動脈は血液が心臓から送りだれる時の通り道

 ねぇドクター。今までのお勉強の中でも幾つかの動脈って言葉がでてきたよね。
冠動脈とかぁ、肺動脈。心臓の大動脈も動脈って言葉がついてるなぁ。
これらの血管に共通している動脈って血液が心臓から送りだれる時の通り道となる血管ってことでしょ?

 そうだね、血管の種類を分類する際に、まず大きく心臓から送り出される血管であるのか?それとも心臓に帰ってくる血管であるのか?について確認することが重要なんだ。
 ポンちゃんが今言ったように、心臓から血液が送り出されるときに通る血管は全て動脈。
逆に心臓に血液が戻ってくる血管は全て静脈ということになるんだよ。

 なるほど~。まずは心臓を中心とした血液の流れで動脈か静脈か?を覚えるといいんだぁ。

※動脈と静脈の関係は血液の流れから判断して覚えると混乱しない。
☆動脈=心臓から⇒全身
☆静脈=全身から心臓

 動脈と静脈を覚えるときにちょっと難しいのはね、動脈と静脈がほとんど同じ場所を通っているということなんだよ。
でみね、ほとんど同じ場所を通っていも血液の流れる方向がまったく逆になっている。
だからね、その流れる血液の方向は心臓へ向かっているのか?それとも心臓から離れていっているのか?を覚えることが大切になってくるね。

 血液の流れる方向がもしわからない時はどうやって違いを見つけたらいいの?

 う~んこれはちょっとぱっと見ただけでは難しいかな?
でもね動脈には独特の特徴があるから、その特徴を覚えておくことでヒントを見つけられるかもしれないよ。

◆動脈の特徴をチェックしよう!

動脈の特徴は、血液の流れる方向が心臓から全身や肺に向かっていること。これがまず一番目の特徴。

そして、次に動脈は静脈よりも体の深部、深いところに血管があるという特徴があるんだ。

わかりやすい例としては手の甲にあるちょっと青紫色に見える血管。

この血管は静脈なんだけどね、このように静脈は皮膚のすぐ近くを通っていることが多い。

だからね、同じ場所に動脈と静脈があってどちらが動脈か静脈かわからなくなった時は、皮膚の表面から遠いほうの血管が動脈である可能性が高いということになるんだよ。

※動脈は皮膚の深い部分を通る

 へぇ~、じゃあ筋肉モリモリでたくさんの血管が浮き出ている人の血管のほとんどは逆に静脈ってこと?

 基本的にはそうなってくるね。そして動脈の特徴としてはもうひとつの大きな特徴がある。
その特徴とは動脈と静脈は血管を覆う組織の弾力性や厚さが大きく異なっているという点なんだ。
これは動脈は心臓から送り出される勢いの良い血流を受けても血管組織が破れてしまうことがないように弾力性が高く膜の厚い血管となっているためなんだよ。

※動脈血管の壁は厚く弾力性が高い

 動脈を覆う壁は静脈よりも丈夫にできているってことなんだぁ

 わかりやすい例としてはね、「頚動脈(けいどうみゃく)」や橈骨動脈を見てみるとわかりやすい。
頚動脈も橈骨動脈も脈拍数を測定する時に指で触れることができる動脈の血管の代表だね。
多くの動脈は皮膚の深部にあるんだけどね、この2つの血管は多くの静脈と同じように皮膚の近くに位置しているんだ。
この2つの血管に触れてみるとわかるけど、とても弾力性のある丈夫な血管であることが指先の皮膚感覚でも感じられると思うよ。
ドクン、ドクンと脈を感じられる血管は動脈だけだから、この2箇所が自分で出来る脈拍の簡易測定の測定ポイントとして広く知られていたんだね。

※脈を打つ血管は動脈だけ