キャッスルマン病の症状・病態の解説

キャッスルマン病の症状及び病態の解説。キャッスルマン病は現在医学的に研究段階にあるリンパ増殖性疾患のひとつです。

◆キャッスルマン病の症状及び病態の解説(もくじ)

◆多中心型と限局型の大きく2種類に分類できる

 元気な細胞を攻撃してしまうキャッスルマン病は免疫細胞がどのように働いているかをチェックする必要がありそう。

 リンパ節腫脹の存在が確認された場合は、その発症部位について注目する。これはキャッスルマン病の病態を検討するにあたっては、この「リンパ節腫脹」の腫れる部位によって大きく2つのタイプの症例に大別する事ができる為なんだ。

 2つの種類?

 そう、2種類のタイプ。まずひとつはリンパ節腫脹が全身のリンパ節に見られる「多中心型キャッスルマン病」と呼ばれるタイプ。そしてもうひとつは、ひとつのリンパ節のみにリンパ節腫脹が確認される「限局型キャッスルマン病」と呼ばれるタイプ。今のところ発症割合は同程度と考えられているんだよ。

※多中心型と限局型の大きく2種類に分類できる

◆ステロイド抗炎症剤による治療の問題点

キャッスルマン病の基本的な治療方法として最も効果が高い治療方法は「リンパ節腫脹の除去手術」があげられる。

このリンパ節腫脹を確実に手術によって除去できるケースでは、症状も確実に改善する事が確認されているんだ。

但し、この除去手術が可能なケースは「限局型キャッスルマン病」の場合であって、多中心型キャッスルマン病患者の場合は、手術によって全てのリンパ節腫脹を除去する事はかなり困難であるのが実情。

尚、手術による治療が困難である多中心型キャッスルマン病の患者の治療法としては、基本的に「薬物療法」による治療が行われることになる。

薬物療法では、まず全身に炎症症状を発症している炎症を抑制する為の抗炎症剤を使用。抗炎症剤として使用される薬物としてはステロイドホルモン剤が主力。

ステロイドホルモン剤は、非常に有能な抗炎症作用をもち炎症の抑制効果としては高い効果が確認されているんだよ。

 ステロイド剤ってなんだか怖いイメージがあるんだけどなぁ。

 ステロイド剤が怖いイメージがあるのは「副作用症状」があるからだね。ステロイド剤は確かに副作用の危険性はぬぐえない問題点のひとつ。しかし、適切な場面で適量の使用であれば効果が高い分強い炎症を抑制できるのは大切なポイントとなるんだよ。
しかし、このステロイド療法の問題点は副作用以上に継続的にステロイド剤を使用し続けていくことが不可欠であるという点なんだ。
免疫抑制剤を使用する治療もあるけど、どれも根源的な治療としての効果はまだ未確認であるのが現状なんだよ。

 じゃあ治療を続けていくことさえも難しいだね。

 今はそうかもしれない。しかし、近年新しい治療法として「トシリズマブ」と呼ばれる成分を含むアクテムラと呼ばれる薬剤を使用する注目を集めている治療法も出てきているよ。