赤血球の構造と働きの解説

赤血球が少ない病気とは?血液細胞の約99%を占める赤血球の働き、割合、寿命を入門者向きに解説。

◆赤血球の構造と働きの解説(もくじ)

◆第4講〜赤血球の働きを学ぶ〜

 今日は赤血球について学習するのかな?赤血球は名前の通り赤いもの。血液の中に入っている成分なんだよねぇ。

 そうだね、赤血球は血液の中に含まれているとっても重要な3つの成分の中のひとつなんだ。

 3つの成分?

 そう、ポンちゃんも赤血球と白血球、そして血小板という言葉を聴いたことがあるよね。

 うん、赤血球も白血球も学校で習ったことがあるよ。でも血小板っていうのは聞いたことがあるような気もするけれど、まだ習ってないような気もするな。

 血小板は血液を固める成分のひとつ。
 血小板も白血球もとても重要な成分のひとつであることには変わりないんだけどね。
 ただし今回は血液細胞の中でも、その比率が全体の約99%を占めると言われている「赤血球」の働きや割合、そして赤血球が少ない時はどのような状態になっているのか?などについてチェックしていくよ。

 赤血球が少ない時?99%もあるのに少ない時なんてあるのかなぁ?でも今回も楽しみ♪

◆赤色骨髄は1秒間に約200万個もの赤血球を作り出す

 ねぇドクター。赤血球って血液の赤い成分のことでしょ?この赤血球ってどこからやってきたの?

 おっ!早速質問だね。赤血球は確かに血液の赤い成分のこと。
 血液が赤いのは誰もが知っているけれど、この血液が赤色に見えるのは赤血球が含まれているからなんだね。
 そしてもうちょっと細かく内部を見ていくと、赤血球が赤い色をしている原因であるヘモグロビンという成分にたどりつくんだ。

 ヘモグロビン?

 そう、このヘモグロビンは赤い色素を持つ組織で、血液中にこのヘモグロビンの濃度がたっぷり含まれるようになると、血液は鮮やかな赤い色となりヘモグロビンの濃度が低下するとやや暗い赤色を帯びるようになるんだよ。

※赤血球内のヘモグロビン濃度によって血液の色は変化する

 ではまず赤血球がどのように産まれてくるのか?赤血球の誕生の場面からお話を進めていくことにしようか?

 うん。

 赤血球はね、血液細胞のひとつ。これは白血球も血小板も同じ。
 そして、この血液細胞を作り出しているのが「赤色骨髄」と呼ばれる場所なんだ。

※赤血球が作られている場所は赤色骨髄(せきしょくこつずい)

 赤色骨髄?聞いたことないなぁ・・・・

 うん、でも骨髄という言葉は聞いたことがあるかもしれないよ。特に骨髄バンクという言葉は耳にしたことがあるかもしれない。
 赤血球が誕生する場所でもある赤色骨髄は骨の中心部分にあるんだ。

 じゃあ、体中の骨から赤血球は作られているの?

 そうだね、体中にある骨は毎日毎日たくさんの血液細胞を作り出しているんだよ。
 そしてこの赤色骨髄が赤血球を作り出すスピードは、実に1秒間に約200万個もの赤血球を作り出しているんだ。

 ひゃ〜1秒間に200万個!??信じられないスピード!

※赤色骨髄は1秒間に約200万個もの赤血球を作り出す

◆1つの赤血球に含まれるヘモグロビン分子は約2億5000万個

 赤色骨髄で作り出された赤血球は心臓の循環システムにのって体中に送り届けられている。

 特に赤血球の役割として重要な役割は酸素の運搬という役割があるんだよ。

 赤血球の内部には多くのヘモグロビンと呼ばれる鉄分を主成分とする物質が含まれている。

 このヘモグロビンは酸素と結びつく性質を持っている為、ヘモグロビンが酸素と結びついて赤血球内部に入り込む形で全身に酸素が送り届けられているんだ。

※赤血球はヘモグロビンとともに酸素を全身に送り届けている

 赤血球はたっくさんあって、その赤血球の中にはもっとたくさんのヘモグロビンがあるってこと?

 うん、1つの赤血球の中にはね、およそ2億5000万個のヘモグロビン分子が存在するんだよ。

※1つの赤血球に含まれるヘモグロビン分子は約2億5000万個

 うわ〜!たったひとつの赤血球の中にそんなにたくさんのヘモグロビンが入っているってことは、きっとヘモグロビンはと〜っても小さいんだね。

 そうだね、実際にヘモグロビン分子は普通の顕微鏡を使って見てもしっかり確認できないほど小さなサイズなんだよ。

◆赤血球の増加と減少について

 ねぇドクター。赤血球の数はとってもたくさんの数があるのはわかったんだけどね。1秒間に200万個も赤血球が作られ続けていたら体中赤血球だらけになってしまうような気がするよ。
 そんなにたくさんの赤血球を作ってしまっても大丈夫なの?

 うん、確かにそうだね。
 赤血球はほぼ休みなく赤色骨髄から大量の赤血球が絶えず生産されている。
 赤血球がとても多い人に発症する疾患の代表として実際に「多血症」と呼ばれる病気もある。
 でもね、赤色骨髄からつくりだされた赤血球の細胞が全て生き残るわけではないんだよ。
 血液循環の途中で亡くなってしまったり、逆に赤血球の製造が上手にできなくなる時もあって血液中の赤血球数が減少してしまうようなケースもあるほどなんだ。
 そしてね、赤血球には我々と同じように寿命(じゅみょう)もあるんだよ。

 寿命?

※赤血球には寿命がある

◆赤血球の平均寿命は120日前後

 赤血球は休むことなく赤色骨髄から作られているのは前項でお話しした通り。

 そしてこの赤血球は毎日のように寿命をむかえて減少していく成分でもあるんだよ。

 尚、赤血球の平均的な寿命は120日前後であると言われている。

※赤血球の寿命は120日程度

 その為、120日前に生み出された大量の赤血球は、誕生してから120日前後の間までに寿命を迎えて亡くなっていくんだよ。

 と言うことは120日前近辺に生み出された大量の赤血球は、一気に寿命を迎えてなくなっていくんだね。

 そうだね、実際に赤血球は寿命だけでなく、心臓から血液とともに送り出されて体内を循環している間にも亡くなってしまう赤血球もたくさんいる。
 また怪我をして傷口が出来てしまった時は、赤血球と同じ血液中の成分である血小板が活動して出血を止めるけれど、血小板の活動だけで傷口が塞ぎ切れないような時は、血漿中の「フィブリノーゲン」と呼ばれる成分が分解されて「フィブリン」となり、赤血球を捕まえて傷口を塞いだりしている。
 このように赤血球は、絶えず誕生し様々な場所で使用されたりしながら寿命を迎え死滅していくサイクルを繰り返しているんだよ。

◆赤血球数減少時は貧血症の可能性も

 ねぇドクター?もし病院とかの血液検査をした時に赤血球が少ないよ!と言われたらどうしたら良いの?

 うん、いい質問だね。
 もし血液検査などを行って基準値の範囲を下回っているような場合は、真っ先に「貧血症」の可能性を検討していくことになるんだ。
 貧血症は女性に多く発症すると言われる疾患のひとつでね、「再生不良性貧血症」など様々な要因が関与して貧血症を発症しているケースがあるんだよ。

※赤血球が少ない場合は貧血の可能性を検討する

 じゃあ赤血球数が少ないと診断された場合は、貧血にならないように対処していかないといけないんだね。

◆赤血球を増やすには?

 赤血球が少ない場合の多くのケースでは、貧血症状を伴っているケースが多く見られているんだ。

 特に女性の場合はね、月経などの関係もあって大量の出血時に赤血球も同時に大量に失われてしまう事になる為、赤血球数値が低い数値を示すようになる。

 その為、赤血球を増やす為に、ヘモグロビンの成分の元となっている鉄分を多めに摂取するなど、赤血球を構成する成分から増加させていくことも重要なんだよ。

※赤血球を増やすにはヘモグロビンを構成する鉄分の摂取が重要

 なるほど〜♪じゃぁ鉄分をたっぷり含むレバーやほうれん草を食べるといいんだね。

 うん、そうだね。また食欲がない時など食事から鉄分を補給することが難しいケースではサプリメントなどを利用するのもひとつの手だね。

◆赤血球の大きさと構造を見てみよう!

 ねぇドクター。ここまで赤血球について色々見てきたけれど、実際に赤血球ってどんな構造をしているの?
 大きさやイメージがわかないんだけど…

 赤血球の構造についてだね。
 では一度赤血球の大きさや構造についてここでチェックしてみようか?

 は〜い!

 まず赤血球の大きさについて。
 赤血球の大きさは毛細血管とほとんど変わらない程度のとっても小さなサイズで、直径は約7〜8マイクロメートル。厚さは約2マイクロメートルのサイズで円盤状の形態。
 だからね、赤血球が大動脈から中小動脈を通り毛細血管に辿りついたとき、赤血球は毛細血管内で1列に並んで酸素を運搬するんだよ。

※赤血球は毛細血管内を規律正しく1列に並んで進む

毛細血管と赤血球(イラスト図)

 赤血球の大きさは毛細血管のサイズとほとんど同じサイズ。そのため、ぎりぎりの幅しかない毛細血管部分を進む時には自らの体をよじったりしながら血管内を進んでいくんだよ。

 赤血球が細胞に酸素を送り届けるのも大変なんだねぇ。

◆赤血球の形状をイラストで見てみよう!

 赤血球の形はね、真ん中が軽く窪んだ円盤状の形状をしているんだよ。(赤血球のイラスト参照)

 但し遺伝病のひとつである「鎌状赤血球症」の場合は、この赤血球の形状が文字通り鎌の形をしている。

 赤血球の色はもちろん赤い色をしているんだけど、赤血球の中にあるヘモグロビン濃度によって赤血球の赤さは明るい赤色と暗い赤色に分かれるんだよ。

 だからね、心臓の左心室から大動脈へ送り出されたばかりの赤血球は綺麗な赤色をしている。

 しかし細胞で酸素を渡してきた後の右心房へ戻る前の肺静脈を流れる赤血球の色は暗い赤色をしているんだ。

 こんなかわいい形の赤血球が血液の中にたくさんあるなんて不思議だなぁ。

※赤血球の色は酸素濃度によって異なる