体循環・肺循環の経路を学ぶ

 よ〜し!今日は心臓の循環についてお勉強するってドクターが言ってな。実はこっそり予習してきてるんだよね。
 心臓の働きは、栄養や酸素を肺や全身におくり届ける役割があるってこと!
 だから心臓は体中に血液を送り届けて、また戻ってきた血液を受け入れて、またまた戻ってきた血液を送り届けるってこと。こうやって体中を血液がまわることが循環なんだよねぇ。
 もう予習はバッチリだなぁ!

 ポンちゃんすごいねぇ!そこまで予習してきたんだね。
 第1講では心臓の仕組みと働きを学習し、心臓のポンプ作用や一生の間に心臓がどのくらいの拍動を打つのかを勉強した。
 そして前回は心臓が元気に動く為に心臓だけのために酸素を送り届ける特殊なシステム構造をもつ冠動脈について学習してきたね。
 そこで今日は、心臓が行う重要な「3つの循環システム」のうちの残りの2つについて勉強していくことにしようか?

 えっ?3っつあったっけ?

 この前、心臓の冠循環について学習したよね。
 冠循環は心臓自体を養う為に行われる心臓独自の循環システム。これが一つ目の循環システムだったんだよ。まだ覚えているよね。
 そして、今日これから学習するのは、肺を通ってガス交換を行う「肺循環」と体中を巡って栄養素や二酸化炭素などを回収する「体循環」 。
 尚、肺循環と体循環はその経路の長さ、大きさのイメージから肺循環を「小循環」、そして体循環を「大循環」と呼ぶこともあるんだ。

 予習してきて良かったけれど、復習もしっかりしておかないとついていけないかも・・・・!(ドキドキ)

体循環の役割って何だろう?

 よし!今日もがんばるぞ!ところでドクター。体循環って、体中に酸素や栄養素を血液にのせて送り届けることを言うんだったよね。

 うん、そうだね。体循環の主な役割は体中に存在する細胞たちにエネルギーとなるグルコースや酸素を送り届けることが大きな役割のひとつでもあるね。

 役割のひとつ?
 ということは体循環には栄養素や酸素を送り届けたりする以外にも大切な役割があるってこと?

※体循環の役割は酸素やグルコース(ぶどう糖)などのエネルギー源を細胞に届けることだけではない

体循環の大切な3つの役割とは?

 体循環の役割を大きな範囲でまとめてみると、3つの役割に分類することができるんだ。

 ひとつはポンちゃんが言った通り、細胞の活動に必要となる酸素や栄養素であるブドウ糖を送り届けること。

 より詳しく解説するとね、体内の細胞が活動を行った際に代謝(産み出すこと)された「二酸化炭素」や「老廃物」の回収も体循環によって行っているんだよ。

【体循環の1つめの役割】
 酸素や栄養素の運搬と二酸化炭素や老廃物の回収をおこなうこと

 そして、もうひとつの役割は、体循環によって血液を循環させることで細胞の温度を暖めてあげること。

 からだにはたくさんの血液がながれているよね。この血液の量はなんと体重のおよそ8%〜9%にもなるんだよ。

 この大量の血液は暖かい温度に保たれていて、体循環によって体の末端部分の細胞まで暖められているんだ。

【体循環の2つめの役割】
 暖かい血液を全身に送り届けて体温を保つこと
※体内の血液量は体重のおよそ8%〜9%もある

 そして最後の3つ目の役割が、血液に含まれている免疫成分の働きによって細菌やウイルスから人体を守る役割。

 血液の中には白血球などの免疫細胞がたくさん含まれていて、体循環によって細菌やウイルスが体内に侵入していないかどうかパトロールしているんだよ。

【体循環の3つめの役割】
 免疫細胞を含む血液を全身に休みなく送り届けることで細菌やウイルスからからだを守ること
※体循環の役割は大きく3つの役割に分類できる

 体循環の役割にはそんな大切な役割があったんだぁ!

体循環の経路をチェックしてみよう!

 体循環は全身を巡りながら栄養や酸素を送り届けるだけでなく、色んな大切な役割をもっていたんだぁ。
 血液を温めたり、ウイルスや細菌をやっつけたり、とっても重要な循環システムだったんだね。

 そうだね、全身を巡る体循環は幾つかの経路を持っていてね、体中の組織や臓器を巡って心臓に戻ってくるんだよ。
 肺循環と比較するとその経路も長いことから大循環とも呼ばれているんだけどね、とっても強力な心臓のポンプ作用で血液量を大量に送り込んでも、再び心臓に戻ってくるまでに約20秒程度の時間がかかるんだ。

※体循環システムは1周あたり約20秒程度の時間がかかる

 へぇ〜体循環は20秒くらいかかるんだ。でもこれって長いのかな?短いのかな?なんかイメージがわかないなぁ・・・・

体循環の経路のまとめ

 体循環が1周20秒程度の時間がかかるのはね、体循環のサイクルの中で多くの経路を通るからなんだ。

 体循環のスタートは、まず左心房で受け取った血液を左心室のポンプで全身に送り出すことから始まるんだ。(下の図@)

 左心室は強力なポンプで大動脈へ血液を送り込む。この時、1回の収縮で血液が送り込まれる血液量は約60ミリリットル〜80ミリリットル前後。

※心臓が1回の収縮で送り出す血液量は60ミリリットル〜80ミリリットル前後

体循環・肺循環の図(イラスト図)

 左心室から血液を受けた血液は大動脈へ勢い良く流れこんで行く。尚、この血液は、各エリアに枝分かれしながら中小動脈へ流れ込み、全身の毛細血管へ流れ込んでいくんだ。

 毛細血管は細胞組織に酸素や栄養を送り届け、同時に二酸化炭素や生命活動で発生した代謝産物や老廃物などを回収し中小静脈へ流れBの大静脈(下大静脈)を通って心臓のC右心房に戻ってくる。

 これが体循環の基本的な経路なんだよ。

※体循環の経路のまとめ
@左心室⇒A大動脈⇒B中小動脈⇒C毛細血管⇒D中小静脈⇒E大静脈⇒F右心房

 体循環の経路は少しずつ細い血管へと流れていって、細胞に酸素や栄養を送り届けた帰り道では少しずつ太い血管へ戻っていくんだね。

肺循環の目的は酸素と二酸化炭素のガス交換

 肺循環ってたしかガス交換を行う場所ってドクターが言ってたような気がするな・・・・
 ガス交換は酸素と二酸化炭素を交換したりすることだったような。う〜ん良く覚えていないな。

 いや、ポンちゃんよく覚えていたね。肺循環はたしかにガス交換を行うサイクル。
 だから肺循環が行われる最大の目的はガス交換を行うことが目的なんだ。

 やったね!何となく覚えていて良かった。ねぇドクター、ガス交換って具体的にいったいどんなことが行われているの?

 うん、では次は肺循環の最大の目的であり肺の重要な役割でもあるガス交換の仕組みについてチェックしていこうか。

 ほ〜い!

肺毛細血管と肺胞のはたらき

 肺循環の経路では体循環の目的地でもある毛細血管と同じく、肺循環の目的地として「肺毛細血管」と呼ばれる組織がある。

 この肺毛細血管ではね、肺胞と呼ばれる組織と肺毛細血管が酸素と二酸化炭素の交換(ガス交換)を行っているんだよ。

※ガス交換は肺毛細血管と肺胞との間で行われる

 最初のお勉強で心臓と肺が協力しあって体内のガス交換を行なっているお話ししたのを覚えているよね。

 うん覚えているよ。

体循環・肺循環の全身図(イラスト図)

 前項でも確認した通り、体循環では心臓のポンプを利用して酸素をたっぷりふくんだ血液を大動脈から送り出している。

 そしてからだの隅々までまわってきた血液は二酸化炭素や老廃物を回収してくるんだったよね。

 でもね体循環によって回収してきた二酸化炭素を多く含む血液を、もしそのままもう一度大動脈から送り出してしまうと、体循環が行われるたびに酸素濃度が低下していっていずれ酸素が不足して血液内は二酸化炭素でいっぱいになってしまうよね。

 だからね、右心房に取り込まれた血液は右心室へ流れ、D肺動脈(緑色の文字)を通じて呼吸によって酸素がいっぱい貯めこまれている肺へ送り込まれるんだよ。

 肺では血液の中に溜まっていた二酸化炭素を取り出して酸素を送り込むガス交換システムが備わっていて酸素で満たされた血液は赤い色素を持つヘモグロビンをたっぷり含んでE肺静脈から左心房へ送られ、@左心室に再び戻ってくるんだ。

 人間の体は生きていくために酸素がどうしても必要だから(※但し二酸化炭素も必要)体循環だけでなく酸素濃度の低下した血液を酸素たっぷりの血液に変換する為の肺循環システムが必要になってくるんだね。

 肺循環システムで酸素たっぷりの血液に変えてくれるから僕たちはず〜っと体中に酸素を送り届けることができているんだねぇ。

循環系システムはひとつかけるだけでも機能しない

 肺循環の重要な役割はやっぱりガス交換だったんだね。
 二酸化炭素濃度が高い血液を肺循環システムを使ってクリーンで酸素たっぷりの血液に戻してくれるシステム。
 なんかからだって上手にできているんだね。

 そうだね、人間も動物もみんな、知れば知るほど驚くようなからだの仕組みが備わっていることがわかるんだ。
 肺循環システムがなければ、酸素たっぷりの血液を作り出すことはできないし、体循環がなければ、もし酸素たっぷりの血液があったとしても全身に酸素を送り届けることができない。
 そして冠循環がなければ心臓が動かないから、肺循環も体循環も行うことができなくなってしまう。

 循環系システムはどれかひとつかけるだけでも機能しなくなってしまうんだぁ。

 そうだね、ではここで肺循環の経路についてしっかりとチェックしてみようか?

肺循環の経路のまとめ

 肺循環の経路は、まず体循環を終えて右肺静脈から右心房に戻ってきた二酸化炭素が右心室に送られ、右心室のポンプで肺動脈へ送られる流れがスタートライン。

 肺動脈へ送られた血液は肺小動脈へ送られ肺の内部の肺毛細血管へと送られてここでガス交換がなされる。

 そしてガス交換を終えた血液は肺毛細血管から肺小静脈へ送られ肺静脈を通過し左心房に戻ってくる。

 この経路が基本的な肺循環の経路なんだよ。

※肺循環の経路のまとめ
@右心室⇒A肺動脈⇒B肺小動脈⇒C肺毛細血管⇒D肺小静脈⇒E肺大静脈⇒F左心房

 肺循環の経路は体循環と同じ感じの経路を通るんだね。

 そうだね、循環システムは送り届けて目的を達成し帰ってくる。このような仕組みはどの循環システムも一緒なんだよ。

 尚、肺循環システムの経路は体循環と比較すると長さが短い為、肺循環1周にかかる時間は約3秒〜4秒程度なんだよ。

※肺循環1周にかかる時間は約3秒〜4秒程度

 体循環は20秒くらいかかっていたから、やっぱり肺循環の方が小さい(小循環)システムなんだね。

  • 体循環の役割って何だろう?
  • 体循環の大切な3つの役割とは?
  • 体循環の経路をチェックしてみよう!
  • 体循環の経路のまとめ
  • 肺循環の目的は酸素と二酸化炭素のガス交換
  • 肺毛細血管と肺胞のはたらき
  • 循環系システムはひとつかけるだけでも機能しない
  • 肺循環の経路のまとめ