血管の種類・大きさ・動脈・静脈・毛細血管の役割の解説

血管の種類・大きさ・動脈・静脈・毛細血管の役割の解説

◆血管の種類・大きさの解説(もくじ)

◆第5講〜血管の種類・大きさを学ぶ

 よ〜し!今日は血管の勉強だな!

 おっポンちゃん気合い入ってるね!

 いや、そういうわけでもないんだけど・・・・最近ちょっと色々からだの仕組みがわかってきたような気がするから勉強が楽しくなってきたんだ!

 そっかぁ!そうだね、勉強ってただ丸暗記したってなかなか覚えられないもの。
 楽しくなってきたっていいことだよね。
 では今日は血管の種類や役割についてひとつずつ勉強していくよ。

 は〜い!

 心臓が血液を送り届ける目的には以下のようなものがある点をまずは覚えておこう。

☆肺でガス交換された酸素いっぱいの血液を送り届ける
☆全身から回収してきた二酸化炭素を肺へ送る
☆血液循環で体温を保持する(体温調整)
☆体循環で免疫組織・免疫細胞によるパトロールを行う
☆分泌されたホルモンを各組織・器官に送り届ける
☆消火器官で取り込んだ栄養素を肝臓へ運搬する
☆老廃物を腎臓のろ過機能(糸球体)へ届け体外へ排出する

 たっくさんの役割があるなぁ…

 そうだね、ぱっと見ただけでもこれら全ての役割がとっても重要であることがわかる。
 血液が重要な働きを行う為には当然、しっかりと血液を運搬できていなくはいけないね。
 では血管の仕組みや役割についての勉強をスタート!

 がんばるぞ〜!

◆血管の種類・役割とは?

 ねぇドクター。なんで血管には色んな種類があるの?

 そうだね、血管に幾つかの種類があるのは、その目的によるものなんだよ。覚えておくべきことは血管とは文字通り血液の通り道、管であるということ。
 動脈も、静脈も、毛細血管もどの種類であっても血液がとおる血管には変わりないんだね。
 ただ、この血管の目的や役割、大きさ、太さなどによって色々な名称に変化して分類されているからたくさんの種類の血管があるんだね。

 同じ血管でも役割や働きが違う。その役割や働きで色々分類されているってことかぁ。
 う〜ん、何となくわかったような、わからないような…

 例えば心臓の仕組みと働きでお勉強した大動脈ってあったよね。

 うん、心臓から血液を送り届けるときに心臓にくっついている一番最初の通路だったよね。

 そうだね、この大動脈の役割は心臓から送り届けられた血液を全身の毛細血管を通じて細胞組織に運ぶこと。
 その基本となる太い通路だから大動脈と名づけられている。
 実際に大動脈から細胞へ酸素や栄養素となるブドウ糖やビタミン・ミネラルを送り届けるには大動脈のサイズでは大きすぎるから、大動脈よりも細い細動脈(さいどうみゃく)という動脈に枝分かれして、最動脈は更に細い毛細血管へと枝分かれしてしていく。

※大動脈は枝分かれしながら酸素や栄養素を細胞組織へ運搬していく

 そっかぁ、難しく考えずに、大動脈から目的に応じて枝割れして細くなっていく血管があるって覚えておこうっと!

◆大動脈・細動脈の大きさ・太さってどのくらい?

 心臓に直結している最も太い大動脈の血管の太さは、成人の場合、最も太い部分で直径で約3センチメートルもの太さがあるんだ。

 この大動脈からはたくさんの動脈が枝分かれして分岐していく。

 分岐した動脈の太さは様々で0.5ミリ程度〜直径1ミリ程度の動脈が多く、この動脈は更に0.3ミリ以下になると細動脈と呼ばれる動脈となる。

※大動脈の太さは最大で3センチ程度。0.3ミリ以下の動脈は細動脈と呼ばれる

 0.3ミリってとっても小さい!

 そうだね、こんなに小さな血管の通り道の流れが悪くなったり、詰まったりしてしまうだけで、動脈硬化や心筋梗塞といった病気が発症しやすくなり生命を維持していくことが難しくなってしまうんだよ。

◆動脈は血液が心臓から送りだれる時の通り道

 ねぇドクター。今までのお勉強の中でも幾つかの動脈って言葉がでてきたよね。
 冠動脈とかぁ、肺動脈。心臓の大動脈も動脈って言葉がついてるなぁ。
 これらの血管に共通している動脈って血液が心臓から送りだれる時の通り道となる血管ってことでしょ?

 そうだね、血管の種類を分類する際に、まず大きく心臓から送り出される血管であるのか?それとも心臓に帰ってくる血管であるのか?について確認することが重要なんだ。
 ポンちゃんが今言ったように、心臓から血液が送り出されるときに通る血管は全て動脈。
 逆に心臓に血液が戻ってくる血管は全て静脈ということになるんだよ。

 なるほど〜。まずは心臓を中心とした血液の流れで動脈か静脈か?を覚えるといいんだぁ。

※動脈と静脈の関係は血液の流れから判断して覚えると混乱しない。
☆動脈=心臓から⇒全身
☆静脈=全身から心臓

 動脈と静脈を覚えるときにちょっと難しいのはね、動脈と静脈がほとんど同じ場所を通っているということなんだよ。
 でみね、ほとんど同じ場所を通っていも血液の流れる方向がまったく逆になっている。
 だからね、その流れる血液の方向は心臓へ向かっているのか?それとも心臓から離れていっているのか?を覚えることが大切になってくるね。

 血液の流れる方向がもしわからない時はどうやって違いを見つけたらいいの?

 う〜んこれはちょっとぱっと見ただけでは難しいかな?
 でもね動脈には独特の特徴があるから、その特徴を覚えておくことでヒントを見つけられるかもしれないよ。

◆動脈の特徴をチェックしよう!

 動脈の特徴は、血液の流れる方向が心臓から全身や肺に向かっていること。これがまず一番目の特徴。

 そして、次に動脈は静脈よりも体の深部、深いところに血管があるという特徴があるんだ。

 わかりやすい例としては手の甲にあるちょっと青紫色に見える血管。

 この血管は静脈なんだけどね、このように静脈は皮膚のすぐ近くを通っていることが多い。

 だからね、同じ場所に動脈と静脈があってどちらが動脈か静脈かわからなくなった時は、皮膚の表面から遠いほうの血管が動脈である可能性が高いということになるんだよ。

※動脈は皮膚の深い部分を通る

 へぇ〜、じゃあ筋肉モリモリでたくさんの血管が浮き出ている人の血管のほとんどは逆に静脈ってこと?

 基本的にはそうなってくるね。そして動脈の特徴としてはもうひとつの大きな特徴がある。
 その特徴とは動脈と静脈は血管を覆う組織の弾力性や厚さが大きく異なっているという点なんだ。
 これは動脈は心臓から送り出される勢いの良い血流を受けても血管組織が破れてしまうことがないように弾力性が高く膜の厚い血管となっているためなんだよ。

※動脈血管の壁は厚く弾力性が高い

 動脈を覆う壁は静脈よりも丈夫にできているってことなんだぁ

 わかりやすい例としてはね、「頚動脈(けいどうみゃく)」や橈骨動脈を見てみるとわかりやすい。
 頚動脈も橈骨動脈も脈拍数を測定する時に指で触れることができる動脈の血管の代表だね。
 多くの動脈は皮膚の深部にあるんだけどね、この2つの血管は多くの静脈と同じように皮膚の近くに位置しているんだ。
 この2つの血管に触れてみるとわかるけど、とても弾力性のある丈夫な血管であることが指先の皮膚感覚でも感じられると思うよ。
 ドクン、ドクンと脈を感じられる血管は動脈だけだから、この2箇所が自分で出来る脈拍の簡易測定の測定ポイントとして広く知られていたんだね。

※脈を打つ血管は動脈だけ

◆静脈の血管構造は動脈よりもシンプル?

 ねぇドクター。動脈の血管はしっかりとした弾力性があって丈夫にできているのはわかったんだけどぉ、静脈血管はどうなっているの?

 うん、静脈血管もね、もちろんしっかりとした構造になっていて簡単に破れてしまうようなことがないように作られているんだよ。
 ただし、動脈のように心臓ポンプ作用による強力な圧力がかからないから、血液の流れもゆったりとなっているんだ。
 その為、大きな圧力が加わりにくい静脈の血管の膜は動脈血管の構造よりもちょっとシンプルで薄い構造になっているんだ。

 シンプルな構造?う〜んそう言われてもちょっとわかりにくいなぁ…

 確かにそうだね、ではここからは静脈の壁を構成する組織について動脈と比較しながらチェックしてみようか?

 は〜い!

◆動脈と静脈の血管構造の違いをチェックしよう!

 血管の構造はね、動脈も静脈も基本的な構造は同じ。但し、動脈は心臓ポンプから送られてくる血液の圧力に耐えられる耐久力と柔軟性を持っている必要があるんだ。

 心臓が1回の収縮で送り出す血液量は60ミリリットル〜80ミリリットル程度。

 血管の中では太い部類に入る動脈と言っても、これだけの血液量が一気に流れ込んでくるのだから当然と言えば当然だね。

 血管の構造の基本は、「基底膜(きていまく)」と、その基底膜の外側を覆う「内皮細胞(ないひさいぼう)」と呼ばれる血管のもっとも内側を通る内膜があり、その外側に「平滑筋(へいかつきん)」「弾性繊維(だんせいせんい)」で構成される「中膜」がある。そして最も外側には「外膜」と呼ばれる組織があって、この「内幕」「中膜」「外膜」の3つの膜で血管は守られているんだよ。

※血管は「内幕」「中膜」「外膜」の3つの膜で構成されている

 へぇ、そんなにしっかりと守られていたら安心できるね。

 うん、一本一本の血管はこのようにしっかりとした3層の膜構造で覆われている。だから普通は簡単に破れてしまうようなことはないんだよ。
 そして更に動脈の場合は、「内幕」「中膜」の中間、「中膜」「外膜」の中間に弾性板(だんせいばん)と呼ばれる膜状の組織があるんだ。

※動脈には3層膜の中間に弾性板と呼ばれる膜状組織がある

 なるほど〜。この弾性版があるかどうかが動脈と静脈の大きな違いのポイントなんだね。

◆毛細血管ってやっぱり細い?毛細血管の直径について

 血管の種類は、動脈と静脈、そして毛細血管の3種類ってドクターは言ってたっけ?
 ということは次は毛細血管だね。

 正解!次は毛細血管の仕組みや構造について見ていこうか?

 は〜い!

 毛細血管の役割は、心臓から送り届けられた酸素やグルコースなどの栄養素やビタミン、ミネラルなどを体中の細胞や臓器にしっかりと送り届けることが最大の役割なんだよ。
 この毛細血管の大きさは直径が9〜10マイクロメートル程度。(1ミリの100分の1〜200分の1くらい)
 そして、このとっても細い毛細血管の役割は細胞から二酸化炭素や老廃物を回収するのも重要な役割のひとつ。
 だから、毛細血管は動脈と静脈の中間に位置しているんだよ。

 そっかぁ〜、じゃあ一本の動脈と一本の静脈は毛細血管を通して、その先でつながっているってことかなぁ?

 またまた正解!動脈と静脈は毛細血管を得て入れ替わるんだね。心臓から毛細血管を通じて細胞に酸素や栄養素を送り届けるまでの血管を動脈、そして各細胞組織から二酸化炭素や老廃物を回収し心臓へ帰ってくる血管が静脈と名づけられているけれど、これらはもともと一本の血管と考えることもできるんだ。

※動脈と静脈は毛細血管を通してつながっている

 尚、指先や陰茎組織にある血管の一部には毛細血管を通さずに直接動脈と静脈がつながっている血管組織もあるんだよ。
 これらの血管は少し特殊な部類に入る血管でこのような血管状態を「動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)」と呼んでいるんだ。
 ちょっとした豆知識だね。

 毛細血管を通さずにいきなり動脈から静脈へ変わる血管もあるんだぁ…不思議だね。

※毛細血管を介さずに動脈から静脈へ変わる血管を動静脈吻合(どうじょうみゃくふんごう)と呼ぶ

◆日常の生活に例えて血液循環のサイクルを見てみよう!

 血管は酸素や栄養素のほか、副腎などで分泌された性ホルモンや免疫系のリンパなどの運搬も行う人体にとって非常に重要な通り道。

 私たちの生活社会に例えてみると、心臓は配送元、血液は配送用のトラック、血管は配送を行うための道路、そして細胞や臓器は配送先として考えると少しわかりやすいかもしれないね。

 配送元(心臓)から送り出された物資(酸素や栄養素)は道路(動脈)を通って、各都道府県(全身の臓器や細胞)に運搬されるようなイメージかな?

 動脈によって運ばれた物資は目的地の近くに到達すると、細い動脈(細動脈)に枝割れし、毛細血管へつながる。

 毛細血管で配達を終了した血液は細静脈を通って1本の静脈へとつながり心臓へ戻ってくる。

 このような物資の運搬サイクルが毎日24時間休むことなく繰り返されているんだね。

 からだってとっても複雑だけど、社会の仕組みのようにとっても効率よくできているんだね。

※心臓の血液循環サイクルは日常生活に例えるとイメージしやすい(教える場合も覚える場合も)