腎臓の仕組み・構造・働きの解説

腎臓の構造・働きの解説。腎臓の大切な役割とは?機能が低下する原因とは?

◆腎臓の構造・働きの解説(もくじ)

◆第9講〜腎臓の仕組みの入門者むき講座

 さぁ今日はいよいよ腎臓の仕組みと働きについてのお勉強に入るんだね。

 うん、腎臓は人体の臓器の中でもとても大切な尿の排泄や血圧のコントロールなどを行う重要な役割をもつ臓器なんだ。

 腎臓って多分おしっこを作ったりしてる場所でしょ?血圧のコントロールなんかもしてたんだね。

 そうだね、腎臓の最も代表的な役割はやはり尿を作ること。作られた尿は尿管を通じて膀胱へ送られて体外へ排泄される。
 しかしこの尿の生成という働き以外にも、主に以下のような働きを担っているんだよ。

【腎臓の主な働き・役割】
☆尿の生成・老廃物の濾過
☆体内の血中ナトリウム含有量の調整(血圧のコントロール機能)
☆血中ホルモン量の調整(血圧のコントロール機能)
☆血液浸透圧の調整
☆体内の酸性度の調整

 なんだかよくわからないことばかりだけど今日もしっかり勉強するぞ〜!

◆腎臓は1日に約ドラム缶1本分(100リットル程度)の原尿を作り出している

 腎臓と言えばやっぱり真っ先に思いつくのはおしっこだよねぇ。腎臓が僕たちの体の中でおしっこを作っていることぐらいは僕だって知ってるよ。

 そうだね。腎臓は毎日大量のおしっこ(尿)をせっせと作ることが最大の役割。
 実際に成人の場合は1日に約800ミリリットル〜1200ミリリットル程度の尿を毎日膀胱からおしっことして体外へ放出しているんだ。

 そんなに多くのおしっこを作るなんて腎臓も大変だね。

 いやいや、腎臓が作り出しているおしっこの元となる「原尿」の量から言うと、1日に大きなドラム缶一本が満タンになるほどの尿をろ過しているんだよ。
 私たちが目にすることができる「おしっこ」の量は腎臓の働きで濾過された水分の中でもまだまだほんのわずかな部分でしかないんだよ。

※腎臓は1日に約ドラム缶1本分(100リットル程度)の原尿を作り出している

◆腎臓は血圧のコントロールという重要な役割も担っている

 腎臓の大切な役割は、体内に必要な栄養素以外の不要な水分や廃棄物を尿として対外へ排出すること。
 そしておしっこ以外の役割としては、血圧の調整という重要な役割も同時に果たしているんだよ。
 血圧のコントロールという働きでは血圧が上昇気味の場合、腎臓はナトリウム(塩分)成分を体外に排出するように働き始める。
 腎臓の働きによってナトリウムが排泄されると血圧は減少し安定してくるという仕組みになっているんだよ。

【腎臓は血圧をコントロールする】
※腎臓は血圧を上昇させる要因となるナトリウムの排泄量をコントロールすることで血圧の調整を行っている。

 もし血圧が低くなってしまった場合は腎臓はどうやって血圧を調節しているの?

 うん、血圧が低下したケースでは腎臓から「レニン」と呼ばれる酵素を排出し、今度はナトリウムの排泄量を減らすことで血圧を上昇させて安定を図る仕組みとなっているんだよ。

◆腎臓の大きさはどのくらい?長さ重さをチェックしてみよう!

 ねぇ博士ぇ。腎臓はソラマメに例えられることがあるってよく言うよね。

 うん、ソラ豆に例えられるのは腎臓の形状がなんとなくそらまめの形に似ているからなんだ。
 このソラマメに似た形状の腎臓の場所は横隔膜の真下部分にあたる部分。
 このかわいらしい腎臓の大きさは成人の場合で直径が10センチ〜12センチメートル程度の長さがある。
 ソラマメ状の横幅は5センチ程度、厚さは3センチ程度で、腎臓の重さは約100グラム〜120グラム程度の重さがあるんだよ。

 心臓の大きさよりちょっと小さいくらいかなぁ。

 そうだね、心臓の仕組みでお勉強したようにイメージとしては自分の握りこぶしくらいの大きさのイメージでいいんじゃないかな?

【腎臓のサイズ】
長さ=約10センチ〜12センチ
横幅=約5センチ程度
厚さ=約3センチ程度
重さ=約100〜120グラム程度

◆腎臓から膀胱へ尿を送る尿管の長さはどのくらい?

 腎臓はネフロンと呼ばれる濾過装置で体内の体循環によって老廃物などを回収してきた血液を濾過し原尿を作成する。
 そしてこの原尿の中から再吸収されない排泄用の尿を膀胱へ送り出している。
 尚、腎臓から膀胱へ尿を運ぶ通り道を「尿管」と言うんだ。

 腎臓と膀胱をつなぐ尿管ってどれくらいの長さがあるの?

 尿管の長さは比較的長くて約30センチ程度の長さになるんだよ。尿管を通じて膀胱へ送られた尿は膀胱で約300ミリリットル程度の量になるとおしっことして排泄される仕組みになっているんだよ。

【膀胱が尿を貯めておける量は?】
膀胱は約300ミリリットルの尿がたまる度に排尿を行っている

◆腎臓の場所(位置)はどこらへんにある?

 腎臓って膀胱とつながっている場所だから、きっとお腹の下あたりの位置に収まっているんだよね。

 うん、膀胱の位置はちょうど下腹部あたりにあることはある程度想像がつくよね。そして腎臓は膀胱の少し上の場所に配置されているんだ。
 ただしお腹というよりも背中側の脊柱をはさむように2つのソラマメ状の腎臓が対になって配置されているんだよ。

 そうそう腎臓は2つあるんだよね。でも腎臓ってひとつだけでも実は大丈夫って聞いたことがあるんだ。
 ねぇドクター、腎臓は本当にひとつだけでもちゃんと働いてくれるの?

 腎臓は確かにひとつだけでもしっかり働いてくれる臓器であることは間違いない。
 家族間や血縁者間の腎臓移植が行われているのはまさしく片方の腎臓を提供しても生活に大きな支障をきたさない為なんだ。

◆腎臓疾患の多くは両方の腎臓が同時に機能低下していく特徴を持つ

 腎臓の機能はとっても重要な機能を持っているのはここまでの解説で少しずつ判ってきたと思う。
 そしてこの腎臓という臓器は2つ用意されていてもし片方の腎臓の働きが機能しなくなってしまったとしても、もう片方の腎臓で日常生活を無理なく暮らしていくことも可能なんだよ。
 但し、腎臓は他の臓器と同様に加齢に伴って徐々に機能低下をもたらす臓器で腎臓病を発症すると、多くのケースで両方の腎臓が同時に蝕まれていくことが確認されているんだ。
 急性腎炎や慢性腎炎の場合も片方だけが蝕まれていくのではなく両方の腎臓が共に機能低下を起こすことから最終的に人工透析による治療が必要になってしまうケースもとても多いんだよ。

【腎臓疾患の特徴】
腎臓疾患の多くは両方の腎臓が同時に機能低下していく特徴を持つ

◆腎臓病は自覚症状が感じにくく尿検査で発見されるケースが多い

 腎臓はいろんな働きや役割を持っていることがなんとなく今日はわかってきた気がするよ。
 こんなに大切な腎臓が病気になってしまったらやっぱり大変だなぁ。

 そうだね、腎臓病は一度発症するとなかなか簡単に治療できる臓器ではないことから治療期間はとても長期的になるケースも多いんだよ。
 また本人が自覚症状として腎臓の疾患を見極めることはとっても難しく、腎臓疾患の多くのケースでは健康診断などの尿検査や血液検査で発見されるケースが大半なんだ。

【腎臓病の特徴】
腎臓病などの腎臓疾患の多くは尿検査や血液検査によって発見されるケースが大半

◆糖尿病は腎機能低下が原因で発症する代表的な疾患

 腎臓に関連する疾患の代表といえばやはり腎機能の機能低下が原因となって発症する「糖尿病」が最も広く知られている腎臓疾患であることは間違いない。
 糖尿病は腎機能の低下によって血液に再吸収されるべき糖分が尿と共に排泄されていしまい、大量の血中糖分を失ってしまう病気のひとつ。
 この他にも蛋白質が漏れ出てしまう「AIg腎症」「ネフローゼ症候群」などの慢性腎炎も腎機能の低下が要因となって発症する疾患。
 腎臓疾患は体に必要な栄養素が体外へ排泄されてしまうため、まず病気の進行をしっかり食い止めることが大切なんだよ。

 腎臓って本当に大切な役割をもっているんだね。