キャッスルマン病の症状・病態の解説

キャッスルマン病の症状及び病態の解説。キャッスルマン病は現在医学的に研究段階にあるリンパ増殖性疾患のひとつです。

◆キャッスルマン病の症状及び病態の解説(もくじ)

◆ウイルスや細菌感染がなくても免疫細胞が反応するのはなぜ?

 キャッスルマン病の病態としてはリンパ節が腫れる症状を発症する。ということはキャッスルマン病は免疫細胞が活動しているってことなのかなぁ。

 そうだね。免疫細胞が働いて炎症を発症するのは正常な生体反応のひとつ。細菌やウイルスが進入してきたら免疫細胞が反応して体内から駆除しようと働く。

 でもウイルスや細菌感染をしているわけでもなさそうなのに免疫細胞が反応しているのはなぜなの?

 ポンちゃん、良いところに気がついたね。実はこの免疫細胞が働いていしまう理由がキャッスルマン病を難病と位置づけている理由でもあるんだ。

◆インターロイキン(IL-6)の過剰放出が原因

キャッスルマン病の患者はリンパ節が腫れ上がるリンパ節腫脹と呼ばれる病態を確認する。このリンパ節からは、インターロイキン(IL-6)と呼ばれるサイトカイン物質が大量に放出されているんだ。

このIL-6はマクロファージと呼ばれる白血球を刺激して急性反応を誘導する物質のひとつ。

そして問題なのは、この「IL-6サイトカイン物質」「たんぱく質細胞」が結びついて新しい免疫細胞を生み出すことにある。

 新しい免疫細胞?

 そう、この免疫細胞は元々体内に存在していない全く新しい免疫細胞。そしてこの免疫細胞は細菌やウイルスの進入などに反応するのではなく、正常で元気な細胞に攻撃をしかけてしまうことが最大の問題点なんだよ。

 正常な細胞を攻撃してしまうの?

 まだ日本での症例も少ないことからどうしてこのように働くのかはわからない部分も多い。また、このように何らかの免疫細胞のトラブルで自分自身の体を傷つけてしまう病気も実はまだまだ多くあるんだよ。今言えることはキャッスルマン病は正常な細胞を破壊していく病態をもつ病気ということなんだ。